課題もある看取り介護

近年、特養(特別養護老人ホーム)などで力を入れている看取り介護は非常に意義のある仕事です。しかし介護士にとって大きな負担、つらい仕事であるというのも事実です。介護の現場で実際に看取り介護を行っていく上で課題があります。なお「そもそも看取り介護ってどういうもの?」という方は看取り介護の概要がわかるサイトをご覧ください。

まず介護士の人手不足が挙げられます。もともと介護業界は慢性的に人手不足に悩まされ続けてきておりますが、とりわけ看取り介護では24時間体制で介護の体制を整えておく必要があり、夜間帯の人員配置が不十分な施設が多くあります。夜間帯における緊急時の対応に不安を感じる介護士が多くいるというのが現状なのです。

次の課題としては、介護士の精神的負担が大きい点が挙げられます。先にも述べた通り、看取り介護では24時間体制で介護を行っていく必要がある上に、医療機関と密に連携をとりつつ、利用者本人やその家族の要望に沿った介護ケアを実践しなければなりません。心に寄り添ったサービス提供、きめ細やかな対応が求められるのです。そして、人の死という悲しい出来事を間近で見守り続けなければならず、その精神的な負担は非常に大きなものです。

このような状況から、看取り後の介護士の心のケアを適切に行える体制づくりが不可欠です。負担や悩みを共有して、精神的な負担を軽くする取り組みを築き上げなければなりません。

また介護士当人の心構えも大切です。死は避けられないものですが、悲観的になりすぎるのはよくありません。自分のできる範囲で、利用者の要望を叶えていける取り組みをすることが大切です。